伝説の守護者
扉が開くと壁は見えなかった。
それから、ぬっと入って来た人物に、室内の者は起立しようとしたが、片手を挙げて軽い静止。
座ったまま敬礼だけ送ってまた作業に戻りだす。
少し見回して、ため息をつく。
「ここにもいないか・・・」
彼が探している人物は一人だ。
この空中都市の軍人全てが探し人を知っているのに、見かけるのに見付からない。
いつ見ても探して回っている様に、笑いを堪えるのにいつも必死になる。
噴出した部下に視線を送る事無く、この躯体だけが不可思議な理想の上司は新鮮な風で室内の香りを薄くさせた。
さほど大きくない、独特な声で名を3度呼ぶ。
自分の席に行くと座らずに机の上を整理している間・・・3分も経っていないだろうか?
その開けられた窓に侵入者。
「なんだ?」
ココは5階です。
と言う者もなく、名を呼んだポチョムキンが窓に座るチップに再びため息をついた。
「頼んだ書類は書きあがったか?」
「んあ?」
ゴソゴソと背中の小さな袋を漁る。
そこから出てきた紙を受け取ると目を通す。
首をコキコキと鳴らし、明らかに退屈そうにしているが黙って待っている。
「・・・・ああ、良い。が、保存書類をグシャグシャにするな。」
「ミッショは肌身離さず持ってないとダメだろ?」
大きな手が銀色の頭をグリグリと撫ぜる。
少し眉をひそめるが、されるようにされている。
「では、頼んだ。」
「おらーい」
体をそのまま後ろに倒すと窓から落ちていった。
気にする事無く、窓の施錠をするとやっと椅子に座る。
丸まった書類をのばし、高く積みあがっている資料を指二つで待ち上げ、重しアイロン。
そして、衛士達の長としての仕事に戻る。
大統領が執務室にいる間は軍施設のセキュリティーを管理する。
個々の長所を活かし、この国を護る。
ポチョムキンが『防御』とするならチップは『遊撃』
俊足で都市を縦横無尽に駆け抜け、賞金首のねぐらを突き止め、確保。
不振な侵入者の監視、警戒。
それだけでなく住民の犯行をも戒め、事件・事故から人命を救う。
自由気ままなのに必ず傍にいる。
離れていても志(こころざし)は同じ。
それでも、他の者には懐かない、呼べば帰って来る、何かしでかし隠れていても仕官には回収される。
その行動が、その仕草が、その関係性が・・・
笑いを堪えるのに、いつも必死になる。
まるで・・・
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私にはハムスターに見える。ワチャワチャ動いてるのにイキナリしゃがんで待ってたりするのが。衛士ってもあの大統領に付きっきりなんて必要ないだろ?じゃあ、事前対策の方が効果でんじゃネ?で。ピアスを無線、追跡装置にするだけで凄い能力発揮できそうだ。後、動きを阻害しない重くない防御力の高いインナーでも科学の力で開発してあげてください。