秘め事




敵の気配に裏拳を繰り出したが、空を切り、そのターゲットさえ視界にはない。

落ちてきた影がパシリッとその拳(こぶし)に両手を付いて体を飛ばすと、小さく瞬間的な呼吸と共に掌が見えた。
アッパーを入れた反対の拳に肉を撃つ感覚はあったが、同時に自分の体が崩れた。

咄嗟に足を出しバックステップをするが、バランスを取れなくなっているらしい体は方向を見失い、大樹へ派手にぶつかり、そのまま尻餅を付く形となってしまった。

それでもファイティングポーズを



・・・出来なかった。

脳が指令しているのに腕は上がらない。視線の中にも森の暗闇しか見えない。
右手を構えようとも、左拳を振り上げようとも。体を起こそうとも。
感覚だけを残して停止した。

「yes〜。半分成功?」

右方向の闇から知った声と骨格が、名を思い出すより早く“形”を見定める。
血を浮べた唇が、流れるように近付き、触れた途端、後ろへ飛び退いた。
「・・・・OK。十分。」
「チ・・・プ・・?」

色々と混線した脳が単語を導き出し、名を問う。

「出会ったが吉日〜?俺の捌け口となりやがれ!!」

勢い良く、チップは自身の上掛を左右に裂き開いた。






「ん・・・・・」
小さく甘い声が下半身で聞こえる。それ毎に快感だけが脳に伝わってくる。
気力で熱を停めようとするが、それを感じ取ってか、通う毎に根元を噛み付く様に吸われる。
思った以上に小さな舌が“裏”の筋をゆっくりと舐め上げる。最後に啄(ついば)む様に先を音をさせたキス。

祝福に声を上げてしまいそうなのを歯を食いしばり誤魔化したが、優しい舌は裏で筋を逆になぞりながら降りる。気力ではどうにもならない本能が徐々に当を膨張・直立させていく。

全ての感覚はあるものの動く事だけが出来ない自分に、容赦なく万遍に快楽だけを送り続け、先を吸った後、
それを飲み込むように口内に含んだ。
内でも小さな舌は同じように動き、音を鳴らせて吸い切る様に強弱を付けて。
それでも決して唇は先端からは離れると事なく口内に納める。


小刻みに。
大きく。
スクロールされ・・・


「くおっっ!!」
耐えていたが先を強く吸われ、欲望が吐き出された。
いきなりに、チップは聞いた事のない高い声を上げた。

口を離してしまった為か、散ったモノを片面に受けている。
一目を閉じたまま、下からポチョムキンを睨み付ける。

「言えよ・・・飲めねぇだろ?」

こくんと喉が動いた後、猫が毛繕いするように手の甲でそれを拭い、舐め取る。
再び状態を落とし、強く吸い上げられた。今度は指も添えて。






忍者の早業か、ブーツだけの姿となり、どかりと腹の上に座られた。
「な・・・何が・・・目的だ・・・」
やっと放された余裕から、色に染まったチップを睨み問う。
口内に出されたものを掌に移しながら、にんまりと笑う。
「あー?捌け口になれって言っただろー?」
「それでは・・・意味が・・・」

逆ではないのか?と言いかけてやめた。
逆であった方が自分には不利ではないか。

思ったとおり、潤滑油代わりにする為か丹念に塗り付けている
「腸内洗浄はされたからさ・・・・アンタは俺ん内で好きなだけ出してくれりゃあいい・・・」
何か言葉に違和感を覚えたが、それより早く彼は自分であてがい腰を沈めた。
「クッ・・・やめないか・・・出来るはずが・・・」
そう言う偏愛があるのは知っているが、体格の大きさはもちろん、サイズの大きさもある。
自虐行為だ。


次の瞬間、高い声と共に、快感が貫いた。


「は・・・・・ぅん・・・・。なあ?・・・フィストに比べれば・・・・・・大丈夫・・・」
フィ?何度も失敗したが、別の事を考えよう足掻いてみたがやはりダメだった。
「そんな・・・ツラすんな・・・よ・・・っん。女の後ろに突っ込んで・・・声止めて・・・る・・目・・・瞑ってろ・・・」


出来る訳がなかった。


鍛えられた筋肉が覆う華奢な体。
容姿のよい、整った眉が苦しそうに寄せられて、吐息だけを吐く唇は薄く、艶めかしく照っている。

この細い腹筋の中に自身埋められている。
わき腹から肋骨の上までに新しい打撲痕。最初に自分が撃ったのは確実に入っていたらしい。
両腕に左右対称の無数鬱血した後。よく見ればブーツから見える足首にも同じように・・・

血は下半身に流れていくのに、頭は品定めするように、冷静だった。




ポチョムキンの体に両手を置いていたチップが、そっと手を離した。
次は何をするのかという好奇心に似た感覚が、その軌道を追う。
女では有り得ない持久力のまま、そっと、自身の立った根に一片を、反対は蓋をするように先へかざして。


音を鳴らしながら交差する肉体は、本当の女の様に透明な粘液で、滑らかに加速させ快楽をよこす。



同じ様に・・・いや、「これ」が快楽であるなら、なぜ彼は、苦しそうなのだ?
辛いのになぜ続ける?



頭の奥で筋繊維がミチミチと切れる音を聞ききながら、腕を無理矢理上げた。

気付いた様だが泣き声に近い呼吸音の中、止められない腰と平はそのままで、チップはそっと目を閉じた。


「かっ・・・・あぁぁぁぁぁん!!」


悲鳴と嬌声の間。

白い肌と赤黒く痣となった肌。
握り潰されると思った刹那、そこに自身の体重が乗せられた。

無理に数度上下させた後、力がなくなった細い体と大腿部を拘束するように掴むと、“通りやすい”方向へ導く。
すると段々と甘い声が放たれ出す。
やはり、相手が良くなる様にだけ動いていたらしい。


先にダメになったのはチップの方だった。
その締りで抜けぬまま後を追う様に内へ・・・




「アンタすごいな。半日ぐらい動けねえ様に“気”当てたのに。」

きゅっとベルトを締め、“普段通り”になる。
それだけではない。
まだ立ち上がれないポチョムキンの服も肌も綺麗に処理し、行為の後は何もない。

「一体・・・なぜこんな事をしたんだ・・・」
唯一残っていた熱の後が、もう少し赤らめた。
「ヘタこいて、とっ捕まって、淫剤まで打たれて、ヤられる直前で逃げてきた。」

少しつじつまが合う。

「なぜ・・・・・私なのだ・・・」

一番の疑問。
彼の身体能力なら、一般人の捕縛も拉致も容易のはず。
好む者であれば、望んで協力してくれるかも知れない。
ターゲットを私にしなければ、一撃を喰らわず、サイズの違いで苦しい思いもしなかったであろうに。

くしゃりと少し纏まらない髪をかき上げる。

「・・・・優しそうだったから・・・・・」

驚愕に開いたままの口へ、指を一本立て、そこにキス。
それは子供にするような優しい戒め。


「じゃあな。」

救難信号のスイッチを押して、チップはゆっくりと歩いて、森の闇へと消えていった。


「策略でなく、自然にやっているのか?アイツは・・・」

保護しなければいけない。
これは優しさであろうか。
個人的欲望なのだろうか。




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某所持ち帰り改正版。ポチョさん真人間だから置いといたら何もしなさそうだから逆レイ(略)してみた。
XXで薬一発で洗脳=チプは薬に極端に弱い・過剰反応体質と思ってる。実はこれ書いた後にAC+買って衛士ED見て、いても立ってもいれずサイト作ったという…いつでもどこでもナニやってんだか・・・