迷物
貴重な映像というより、異様な光景だった。
ツェップ随一の闘士でもあり、規律正しいチョムキン仕官。
その彼が先日スカウトしたらしい細身の青年。
人見知りが激しいのか、未だその声を知らなぬ者も多いが、容姿のせいもあり、好感だけが上がっていった。
次は、第二次騎士団選抜試験の上位に食い込んだらしい事から、若輩ながら、かなりの実力者という噂。
その二人が「いる」。
ただでさえ巨漢でポチョムキン仕官は目立つというのに。
染めた訳ではない銀髪の色はこの国でも珍しく目立つというのに。
『新人教育』と『施設案内』、大統領直属の衛士の『顔見せ』
その為の移動時、青年は人並み外れた太い仕官の首に離れず、必ず後ろにいた。
――――仕官曰く、瞬間的にすぐどこかに行く青年を探しまわったり、事後処理するより数十倍も楽なのらしい。
――――青年曰く、視線の高さの違いを合わせる事により、仕官の説明が良く分かるのらしい。
御仕置き率?……も、低いとか……?
しかしながら「おんぶ」ではない。
仕官が両手に持っている資料に、指差して質問している彼は首へ回した片腕で自らの体重を維持しているのか、
一寸もズレる事もブレる事無く、後ろ足はパタパタと動かしている。
ポチョムキン仕官も仕官で。
機械を使わなければ持ち上げる事が出来ない首の装置はそのままで、大の大人一人を付けたまま歩いている。
直視すれば殺意の視線が青年から送って来られるが、どう見てもサルかコアラの親子とも・・・・
後の伝説にも語り継がれる、微笑ましいとは少しかけ離れている気もするが、これが『ツェップ迷物』の一つになるのは
必然の話であるのは仕方ない事である。
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お持ち帰り第3弾。AD+の衛士ED後で。キれて誰彼なく瞬殺しそうなチプと、ポチョの力で押さえ込んだらいくらでも好きに出来るという結論。疚しい事なくてもポチョと一緒に寝てたらいいと思うんだ。心配の種・制御棒の関係で。御仕置きもそういう意味でw