摂理




そう、それは対極。陰と陽。


同じものが一つとない彼ら。


しかしながら、風と大地ではない。
彼らは人である。「ない」を求め、「あり」を欲する。
そして女と男。
『結ばれた』のは自然の成り行き。



ポチョムキンは優しく、軽いチップの体を持ち上げる。
細い体には、その指は太すぎて、数人の男を相手しているようにさえ思う。
それをわかって、せめて壊してしまわない様に、押さえつけないように、怖がらせないように、触れる。
伸ばされた白い指は一つ一つの筋肉へすべらせ、その優しさに答える。


「・・・・・・・もう・・・」
先に求めたのは、小さな鈴のような声。

「わかった・・・」
答えたは、深い響く声。




甘い嬌声ではない。
鋭い悲鳴。


それでも最奥まで受け入れてくれた。

叫び続け、途切れ途切れなった息が戻るまでその背を撫ぜる。


苦痛が治まると、心配と傷心で眉をひそめた顔を、濡れた紅い瞳が見つめ、薄く微笑む。


「オネガイ・・・」




握りつぶしてしまいそうな体を突き刺すは、彼女の腕の太さにも等しい己自身。
内臓を圧迫た苦しさより、男を受け入れる喜びに与えられるは快楽。

彼女に自分の体重が掛からぬ様にさえしていれば、段々と甘い声が混ざってくる。


激しさに生理的な涙を流した事もあった。
愛しさの欲望で貪欲に喰らいついた事もあった。

それでも。

太き攻めに細き壁はただ受け止め、狭き道は彼のすべてを導く。




チップの求めで数度目を内に放つと、甘い吐息を一つだけして、糸が切れる様に彼女は気を失った。

最初の頃は驚いたが、一時的な事で、すぐに起きるその時まで、自分の腕にすべてを預ける愛しい者をまじまじと見る。
白い肌は、ほのかに桃色に染まって、涙の後が残る頬はそれよりも赤く色付いている。
大きく上下する胸は筋肉だけでなく程よく女性の象徴をたたえ、綺麗な曲線を描く。
ヘソの下が自分を包んみ、少し膨らんでいるのも愛らしい。


「ん・・・」
口付けを戸惑ってる間に、小さな声を上げ、瞳を開ける。数度瞬き、顔を確認すると、柔らかく微笑む。
「ありがとう・・・」
少しかすれた声で、いつも言う感謝の言葉とキス。その奥にある真意はまだ分からない。
「コチラこそ感謝する。」
だが、心からの言葉に自分も真実の心を告げる。


お前に会えた事を。







「・・・体・・・痛い・・・」
呟かれた声。
細い体は内から引き抜く事さえ、大変で。最後まで気を張り、優しく出来たはず。
「・・・だから・・・無理するなと言っただろう?」
自分が無茶をすれば壊すのは必須。だからこそ、攻めてはいても、指揮権は彼女。
大きな胸板に擦り寄ってきて、クスクスと笑う。
普段は逆立った髪が今は落ちて少しくすぐったい。

どれもこれも、分かってやっている。


「頼んだけしてくれるから・・・つい。なあ?今度一緒の休みの時、耐久してみねぇ?」

さらりと、なんと言う事を言ってくれるか。
こっちの方が照れてしまう。

「・・・立てなくなるぞ・・・」
「それで良いんだ。」

呆れたままの開口した下唇に、優しく微笑む彩付いた小さな花が優しく触れてくれた。


「お前のモノって、『証』に・・・・・・『印』に・・・・・・・・・・・・・・・してくれ。」
大きさの違いで組み合わせる事はできないが、指を掴んだ手を包み込むように強く握った。


「ずっと・・・・・・・・こうしていよう・・・・・・・」



『結ばれる』のは自然の摂理。
そう、それは対極。陰と陽。



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ポチョチプって純愛拡張じゃないか!願ったり叶ったり!?と自分が馬鹿だと確信してみた。この2人が本命だったりします。
伝説になるまで一緒に居るんなら(略)惚れた弱みで常識苦労人は跳ねっ返りに振り回されてりゃいいと思う。