公僕さんは心配性




↓↓+Kを入力すると、瞬時に消えたチップはカイの後ろに現れ、その腰に腕を回した。

そしてそのまま、体を仰け反らせた。


「何事ですか?!何事ですか?!何事ですか?!何事ですか?!」
頭のタンコブを付けて左右を見回す。
既に目の前にいるチップは澄ました顔をして、動揺が終わるまで待つ。


咳払いを一つして。
「何事ですか?」

まだタンコブはデカいまま、冷静な声色でたずねる。

「技を教えてもらったからやってみたくってな。」

誰からですかと言いたいが、多分自分が知る人物であろうので止める。

「“ジャーマンスープレックス”って言うそうだ。」
「・・・なぜそれを私に?」
「他は重くて綺麗に決まらなかったんだ。」

何人にしてきたのだろうか。


最初に技をかけたのは多分技を教えた人物だろうが、頭から落ちていれば良いと、悪意に満ちた呪い言葉を一つ。


いや、待て。
つまりは同じ様にしたのか?

密着して、後ろから腰を抱きしめてきたのか?



「その技を封印しなさい!!」
「は?」
「その技は危険です!受身が取れない人物にした場合多大なる被害が出ます!!」

お前も取れてないじゃないか。と、タンコブを睨むチップは明かに不満げだ。

「したいなら私にだけ解禁します!」
「・・・マゾか?」
「違います!すべての平和の為に!アナタの平穏の為に!私のささやかなる幸せ・・・
いや、あの、とりあえずむやみやたらするのはおよしなさい!!」


よく分からぬ理屈と凄みに、面倒臭そうに頭をかいたチップが『分かったよ』と渋々了承する。






そしてカイはもう一度、綺麗に頭から落ちた。




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後ろに転移するコマンド。ジャーマン〜を描きたかったけど無理なので小説にしてみた。「俺強いから大丈夫」と無防備な子をわいせつ罪から守る為日夜頑張るのです。(気苦労)挨拶代わりに毎回頭から落とされてれば良いと思う。